ウェディングカメラマンの寺川昌宏です。今回は撮影機材のお話。
2018年にキャノンから発売された新製品、フルサイズミラーレスカメラのEOS Rを実際にウェディング(結婚式)の現場で使ってみたプロカメラマンによる評価とレビューを行なってゆきたいと思います。
フルサイズミラーレスといえば最近代表的なSONYをはじめ、NikonやCanonからも続々と発売されている近年話題の今までのミラーボックス付きの一眼レフに次ぐとまで言われている、カメラ。
10年以上のキャノンユーザーとして、これまで僕が使用してきたEOSシリーズは
EOS 5(フィルムカメラ)
EOS 50D
EOS 6D
EOS 5D mark Ⅱ
EOS 5D mark Ⅲ
EOS 5D mark Ⅳ
とずっとキャノン製品を買い換えては、自分のカメラマン人生の全てをキャノンで撮影させていただきました。
ミラーレス機の登場により、他のメーカーさんの商品もすごく気になったり、試験的に試したりしていたのですが、ここは今まで使ってきたカメラメーカーへの信頼性や大阪はPDA GALLOPさんをはじめとして万が一の故障の際もご対応いただける修理会社さんも存在することなど、総合的に見てキャノンのフルサイズ、ミラーレスEOS Rを実際に僕のメインの撮影現場であるウェディングでの使用レビューをしたいと思います。
RF50mm F1.4 Lを装着してみると、5Dの一眼レフシリーズにLレンズを付けた状態と然程変わりはない携帯性と重力感があります。
ただこれまで使用していた5D mark Ⅳの一眼レフカメラと比較すると、一眼レフカメラはボディを持って撮影することに対してミラーレスのEOS Rはレンズを持って撮影する操作感なのかなぁ?といった印象をうけました。
結婚式カメラマンにとってカメラの重量というのは軽ければ軽いほど撮影、労働環境が良い。
ひとまずこちらは今後の登場するEOS Rに対応したRFレンズの登場に期待したいところ。
続いて操作性ですが、これまでEOSシリーズを使用していたのであれば問題ないレベル。
バリアングル液晶も使いやすく、操作性に対して特別課題があるとは思いませんが、ISOをファンクションバーで操作するよりコントロールリングでの操作の方が従来のキャノンEOSユーザーは慣れているかもしれませんね(その分RFレンズのコントロールリングで対応可、これも使いやすくて満足しています)
特にEOSシリーズでのバリアングル液晶というのは長年の5Dユーザーには無かった機能だったので、ローアングルやハイアングルが使用し易いことは本当に新しい発見がたくさんあって今後も結婚式カメラマンとして新しい表現がどんどんできるようになるんじゃないかなと思います。
寝転んで撮ったりしなくていいから助かる(笑)
(EOS R + EF50mm F1.2 L,純正マウントアダプター使用)
それでは実際にEOS Rで結婚式の写真や前撮りの撮影してみると、どんな感じになるだろう?とのことで上記に3枚、大阪での和装前撮りの写真を参考にいただければと思います。
3枚全て、EF50mm F1.2 Lのキャノン純正単焦点EFレンズに純正アダプターを使ってEOS Rで撮影していますが、個人的にSONYのα7 ⅲに純正レンズで撮った感じと画質のクオリティはそこまで変わらない、むしろ個人的な好みとしてはCanonの輪郭の美しさに、やっぱり今後ともフルサイズミラーレスもキャノンで使ってゆきたいなぁと思った次第であります。
結局、近年はほとんどのウェディングカメラマンがRAWで撮影後にLightroomでデータを立ち上げて現像をすることが最終目的の撮影が増えたので、RAWデータの質もフルサイズミラーレスには問われるところ。EOS RのRAWデータ操作感はα7 ⅲと同等とまではいかなくとも、5D mark Ⅳと比較するとシャドウや露出量のレンジの幅がやや広がったかな?と個人的な主観で申し訳ございませんが、感じところです。(ここは編集方法により感じ方に個体差あり)
個人的に高評価だったのが、マウントアダプター(EF EOS R)のしっかりした作りと耐久性。
おそらくここはプロカメラマンも意識して作ったのかなぁ?と思わされるようなLレンズの根元のような剛性を感じました。
重量は100gほどで、従来のEFレンズ全てに重量が100g加算されますが、5D mark Ⅳの重量が890g、EOS Rが580gほどなので、通常の一眼レフのEOSシリーズを使うよりも重量も200gカットできます。
実際に見比べてみると、EOS RにEF85mmのLレンズをマウントアダプターを介して装着しても、5D markⅣとは思ったほど見た目も変わりませんが、これも大事なところで従来の一眼レフカメラよりグリップ感も損なわれていないのが個人的に嬉しかったEOS R。
よくミラーレスフルサイズを乗り換えた時に、従来まで使用していた一眼レフカメラとグリップ感に違和感があって使いにくいなどといった声を同業のウェディングカメラマンからお伺いすることも多いのですが、グリップ感を損ねることが無いのはミラーレスに移行予定のカメラマンさんにも優しいなぁと思います。
それでは話題のRF50mmの実写レビュー!!
長年キャノンユーザーだった僕に、キャノンへの不満といえば50mmの単焦点Lレンズがずっと昔の設計だったということ。
SIGMA Artシリーズやツァイスなどの社外レンズのクオリティを横目に、ずっとキャノンの新しい50mm Lレンズの登場を待っていた僕としてはこのRF50mm F1.2 Lレンズは従来より最も高画質と圧倒的な描写力を誇るレンズだなと感じました。
特にEOS Rに関してはプロ向けのカメラというよりかは、EOSの初代フルサイズミラーレス。一眼レフで例えるならば6Dシリーズと似ていると感じていて、まだまだプロカメラマンの現場で使用するには性能的にも時期的にも、何よりキャノンがまだプロに向けて作っているとは思えません。
ただその中でこれだけの描写力があることは、今後のEOS Rの新機種への期待がもてます。
5D mark Ⅳや1DXシリーズと同等のフルサイズミラーレスがキャノンから発売された際には、このRF50mm F1.2 Lも今より更なる性能を引き出してくれそう!
いつでもSONYの素晴らしいミラーレスフルサイズには移行できるので、キャノンの様子を少し待ってみようかと思います。
さてRFレンズの描写力が素晴らしいことはさておき、ウェディングカメラマンなら誰もが気になるバッテリーの性能。
メーカー諸元表では300枚前後と記されていますが、僕が使用している感じだとLP-E6のバッテリー1本で600枚くらいは撮れちゃいます。
ただこのバッテリー性能に関してはEOS Rの設定や撮影方法などによっても大きく変わってくるのでご注意ください。
個人的にやめておいた方が良いと思います(笑)
理由はひとつだけ、メモリーカードの枚数がシングルスロットだということ。
これでは万が一データが消失した際に対応が効きません。この時点ではSONYのαシリーズの方が断然買いです。
ただ僕自身が結婚式カメラマンとして2013年にデビューした際には
EOS 5D mark ⅲ(デュアルスロット)
EOS 6D(シングルスロット)
の2台体制で撮影をしていましたが、キャノン製のシングルスロットの一眼レフカメラを使っていてデータが消失した経験は未だにありませんが、100%データが消失しない保証があるわけでもないので、EOS Rはサブ機のまだサブ、3台目の最後の手段のボディとして保有しておくのはありかと思います。
逆に言うと、デュアルスロットで現EOS,EFキャノンユーザーであれば移行しても間違いのない機種。
・プロモデルの開発・発売
・ RFレンズのラインナップの充実
この2点が今後のキャノンへの期待。特にキャノンは一眼レフの時代からレンズのラインナップがクオリティこそ低くないものの、NikonやSONYに比べてバリエーションや面白さが乏しいのが個人的に残念なところで、フォクトレンダーやツァイスなどもガンガン使えるように対応していただけたら本当に楽しみ。
キャノンさん、僕でよければウェディングフォトのモニターになるのでお声かけください(笑)
とりあえずEOS Rは本当に良いカメラでした!もっとキャノンの本気が見たいなぁ!!
| 初めての方へ | 事業概要 |
サイトマップ |
| プライバシー・ポリシー | お問い合わせ|
copyright © 前撮り・結婚式の写真撮影
ウェディングカメラマン 寺川昌宏
all rights reserved 2023